Book Picks

【本】★★★★
題名:アースダイバー
著者:中沢新一
(2005/講談社)

縄文時代の陸と海を地層から読み取り、お手製の地図を片手に東京をダイブする。 このような形で東京というメトロポリスを官能的に描けるのは、この人しかいない。 乾いた大地と湿った大地で繰り広げられる人間の営みは磁場の力と結びつけられ、現在に息ずく根源を見る。 ミクロからマクロな視点へと繋がり「東京」を俯瞰した時、今までに抱いたことのない魅力を感じた。

乾きと湿りの原理は、デザインと芸術の違いのヒントな気がしてならなかった。

面白い、久々に面白かった。

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Book Picks

【本】★★★★★
題名:
芸術人類学
著者:中沢新一
(2006 / みすず書房)

自然サイクルの中で存在していたホモエレクトスやネアンデルタール人などの旧人から、突如《「心」の流動性》を身につけた現生人類であるホモサピエンス・ サピンエンス。「狂った生物」として目覚めた瞬間から脈々と今日に受け継がれ、心の深層部分に活きずいている「野生」の沃野を巡る旅です。 本当に魅せられてしまうものには共通した何かがある。 昨年体験した、直島の護王神社と南寺、金比羅さんの山頂、イサムノグチ庭園美術館の丘の上で感じた一連の感覚が忘れられない。


私たちの心の内部には、まだ「野生」の沃野が残されてます。どんなに合理的な社会管理や経済システムが世界を覆い尽く勢をみせているとはいえ、私たちの心 から現生人類への最初の飛躍を記念するあの偉大な徴は、消え去っていません。 いや、人類が生き残っているかぎり、その徴は消えようがありません。 芸術 は私たちの心の奥底に眠っている、この記憶の領域、いまだ野生を生き続けているこの思考の領域を、表現の中に取り出してみたいという欲求を抑えることがで きません。
(P.24)