Book Picks

【本】★★★★1/2
題名:苔のむすまで
著者:杉本博司
(2005 / 新潮社)

時間を超越するような作品性が、文章になっていてもいっこうにブレていない。むしろ奥行きの深い文章に驚いてしまう。用いられている言葉のひとつひとつ、 資料や作品の写真、構成、気がつくと悠久の物語に引き込まれている。感じていたもの以上に、もっともっと遠くを観ていた。作家自身も「能」舞台を手がけて いるのですが、過去、現在、そして幽玄の世界が入り交じる特異な空間性が作家の感触として一番近いのかもしれない。

「美」というものは、現世で触れることができる唯一のあの世の片鱗。
どこかで読んだ文章を、ふと思い出した。