Book Picks

【本】★★★1/2
題名:廃墟建築士
著者:三崎亜紀
(2009/集英社)

普段、眠っているような想像力を刺激され、ちょっとした脳内革命。星新一のストーリー展開、安部公房の空間観がお好きなら、なおオススメ。本の装丁がこれ またニクい!4つの物語の中で、『廃墟建築士』、『図書館』が特に印象深い。新築の廃墟、偽装廃墟、磯崎新とは違う新たな廃墟のロマン。図書館を夜間開館 するために、図書館の野生を制御する「調教士」が必要だったり。読者の想像力が加わり成立する活字の世界に、不完全で無限の可能性を感じます。





いつか崩れ、自然へと回帰するその時を目指して造り続ける、
建築史の中の異端者、廃墟建築士。

(p.87)

かつて「彼ら」は、図書館という名前ではなく、
「本を統べる者」と呼ばれていた。

(p.105)